2019年1月のトッドとダークはん短歌です。全七首。
テーブルに散らばった紙くずのなか赤いリボンがうずくまってる
だいたい最後に「付記」の歌をつくるんだけど振り返ると食べ物が多い。手癖だな。つまり好きだということなんだけど、人間だろうとなかろうと、いきものであれば「食事」は必要で、別々の人間が交差する特別だけど普遍的な一瞬であるという、うつくしさを信じている。上記のうたはハッピーニューイヤー!ってクラッカー鳴らしたりめでたそうな歌をうたったり(ダークはんがひとりで)窓の外では花火があがってたりして、なんなんだ・・と呆れつつ、年明けただけじゃんって斜に構えようとするトッドが何気なく視線を落とした先を見たい、という気持ちです。逃げたいのであり逃げないのではない薄いパンからもお前からも
挟まれたきゅうりがはみ出ないくらいの強さで抱いてくれるといい
きゅうり食べて野菜採った気にはなるなよ。
ああおまえ寂しい男皿の上パンくずひとつ残さないから
ちょっとぐらいケチをつけさせてくれてもいいだろう。「ダークはんの所作の綺麗さ」と家庭環境が必ずしも結びついていないと感じる度にこころの薄皮がめくれる。
冷めきってココアは死んだ手の中で 君の舌の居心地の良さ
さみしいとかじゃなくて、ああ疲れたなーとかしんどいなーみたいな「無」の瞬間を物理的に埋めてくる相手。
夢に来たのはきみだろう 窓の外、羽だけの鳥抱きしめる
「出た」のではなく「来た」の期待感と、「まあでも夢だよ。現実じゃないよ」と割り切れる残酷さを足して割らないダークはん。
おまえがさ、俺の枕にジャム塗ってそのまま消えたよ。昨夜の夢
「えー? 何味?」「そこ? 多分ストロベリージャム」「そっかー」みたいな実の無い会話をするね。
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